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アメリカ移住⑥- 悔しい思い Do it anyway [亜米利加 仕事編]

 12月28日(木) 2006年も今日入れて後4日となりました・・・・

12月は、クリスマスがあったり、一年の最後の月で、色々今年一年を振り返り、来年に向けての心構えの準備をする月である様に思います。特にクリスマス後は、昨日も書きましたが色々思う事あり・・・・私の徒然なるままの呟きに閲覧数が多く、ちょっと嬉しい驚き。有難うございます。

昨日はNHKを見ていて、今から600年前の中国、明の時代に、鄭和と言う偉大な航海者がいて、世界で再評価されている、と言う事が紹介されていました。コロンブスの新大陸到達より、約90年早い1405年から30年間に渡り、マルコポーロよりも早く、中国からアラブやアフリカ大陸に至る大航海を成し遂げた男が中国にいた、と言う事を知って今まで中国の歴史には全く興味が無かったのですが興味深々、鄭和についてもっと知りたい、と思いました。彼と、西洋の航海士との大きな違いは、彼は略奪では無く、国境・文化を越えた真の交易をした男、そして、それが可能だと証明した男。

さて。。。この事はもっと前に書こうと思っていたのですがなかなか書くには至らなかったうち忘れておりました。ひょんな事から、はるかぜ さんからコメントを戴いた為、この事を書いた自分のブログを読み返す機会がありました。

これを新年に持ち越すより、今年の垢は今年のうちにはらって、来年の決意と言うか、生き方につなげたいと思い、今日書こうと思います。

そのブログとは、今年の6月に書いた、人生は創造 (ブログは こちら )の中で、私が申し上げた、’つい最近、今まで生きて来た中で恐らく最高の悔しい思いをする出来事があった’ について、です。

かなり長くなると思いますので(っていつもの事なのですが・苦)、ご興味のおありの方は、どうぞ続きをご覧下さい。私の経験を語る事で、何らかのお役に立てれば幸いです。

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当時(と言ってもほんの7ヶ月前の事ですが)、私の働くグループには、私以外に私と同じタイトル(と責任レベル)のチームメンバーが5人いて(全部で6人)。私以外全員アメリカ人、4人男性、1人女性(女性は私と彼女だけ)、其々その下に部下がいたりいなかったりと言う感じです。その当時のボスはアメリカ人男性。同じグループなので、ボスがプレゼンをする時のプレゼン資料や、セールスが顧客に売り込みをする為のプレゼン資料を一緒に作ったり、と何かと同じグループでのチームプレーが要求されました。
 
同じチームのその女性は、社内でも感じの悪い人と見ている人も多く、チームプレイヤーとは言えない方でした。物凄い競争心の持ち主で、私には、彼女は周りから自分さえ良く見られればそれでよい、自分が常に一番でありたい、その為なら手段を選ばない、と言う人に思えました(我ながら凄い投影ですが・苦笑)。頼み方ひとつ取っても、これをくれ、あれをくれ、と、命令調でとても偉そうで、自分が何様のつもりなのさ!!と、思わず叫びたくなる様な事が何度もありました。プリーズぐらい、つけろ、と。
 
彼女との様々な経験は、アメリカで働く上で大変勉強になりましたので、追々そのエピソードは貴重な経験とそのレッスンとして、ご紹介して行きたいと思いますが、そうですね。キーワードは、ごますり、こびる、だます、利用する、蹴落とす、傲慢(の影に隠れた自信の無さ)、自己顕示欲、支配欲云々、そんな感じでしょうかね(書いてるだけで嫌なエネルギーが出てきそうですね。。。)
 
ある日、その女性が、彼女の仕事の為に提供した私が作ったいくつかのプレゼン資料を、自分が作ったかの様に社内で使って、そのプレゼンの内容が好評だった事を知りました。それも一度のみならず、何度もです。直ぐ気づかない私も間抜けですが、私の仕事が、同僚が自分を良く見せる為に利用されていた、と言う事を知り、大変ショックを受けました。それでも社内では、彼女のプレゼンの内容は、わたしのアイデアだと気づいている人もいて、そうやって理解してくれる人はいるのだし、私の仕事が会社のビジネスに貢献できたのであればそれで良い、と自分を励ましておりました。
   
彼女と一緒に仕事をするのが嫌で嫌で仕方が無かったのですが、自分の心が常に平和である事を第一目標にしている私は、何とか彼女に腹を立ててもそれを引きずらない様、努力をしておりました。そんな矢先、2つあったマーケティングのグループを一つにまとめると言う組織変更があり、彼女だけ昇格されて、同じグループで働いていた私と同僚4人のスーパーバイザー、となりました。私はその女(女呼ばわりしますが・笑)の部下になってしまったのです。私達は今まで副社長に直接リポートをしていたので、その間に一人レイヤーが増えた、と言う形になった訳です。
 
私は人事に、これは私にとってはディモートでは無いのか、と抗議をしました。何しろこの変更が、私が現地採用のレターにサインをした翌日に発表になりましたから、私がサインをした現地採用のレターに書いてある私のボスが、サイン翌日に変わってしまった、と言う訳です。人事からの説明は、私の仕事責任的には何も変わらない、との説明でしたが、私は納得しませんでした。
 
そんな状況で、選べるのは二つ。受け入れるか、机をひっくり返して感情的に辞めるか。後者の様な感情的になって選ぶ選択は旨く行く事は無いのです。 でも、心から悔しい、と思いました。こう言う事は、社会では良くある事だと思います。同じチームメンバーとして働いていた同僚が、昇格されて自分より上の立場に立つ。仕事のオファーをサインした途端上司が変わる云々。
 
その同僚が尊敬に値する人であれば、それ程抵抗は無いのかもしれません。が、もしその人が、自分よりどう考えても経験も少なく、リーダーシップの能力も無い人だったら。。一番悔しかったのは。彼女が自分を良く見せる為に私を利用し、それにまんまと引っかかったアホな自分に。そして一番悲しかったのは、あれだけ悩んで悩みぬいてアメリカ移住を決め、会社の転籍を決め、現地採用オファーのサインをした、その翌日に私の上司を変えた事。。結局、会社なんてものは、会社の都合で回っているし。。。だまそうが周りを蹴落とそうが、手段に関係なく、自分の上司に自分がどう評価されるかが全てなのだ、と言う事を。。会社のビジネスの為、じゃなくて、自分が認められる為に仕事をしている人が殆どなのだ、と言う事を。。。その時初めて洗礼を受けた、と言う感じでした。情けない程、世間知らずだったのでしょうが、それだけ今まで日本で、そして日本の会社からの赴任者としてアメリカでも守られていたのだと思います。
 
私は今まで、会社の為(会社で働く周りの方々の為)、会社のビジネスの為、そして社会に貢献し、お客様に貢献する、それを第1に仕事をして来ました。周りに貢献すると言うのは私の大きな喜びでありますし、その姿勢を評価して下さる上司にも今まで恵まれて来ましたが、社会と言うものは、そう甘い物ではないのですよね。。一生懸命会社の為に頑張ったなんて事は、自分の評価とは、強いては会社全体のビジネス運用とは、全く関係ないんですよね。
 
何と言うか。。会社で出世したいと思った事はありませんが、勤続年数を重ねて行くうちある程度のレベルに到達し段々上が見えてくる訳ですが、いわゆるコーポレートラダーを昇って行き、私がいる辺りから更に出世する人と言うのは、自分が良く見える為には、他人を蹴落とし、手段を選ばす、と言う人達の集団なのかもしれない、と。会社と言うのは、従業員の為、お客様の為、じゃなくて、自分だけ良ければ良い場所なのか、と。そんな事が見えて来て。。もしこれがビジネスと言うものなら、私のやりたい事とは大きくかけ離れていると言う事を、実感しました。
 
結局、私がこの嫌な女の部下になったと言う状況下で出した結論は、このまま、私がサインしたレターの現地オファーを受け入れ、アメリカへ転籍する、と言う事。そして、この屈辱的な状況を受け入れながら、ここを抜け出すチャンスを待つ、と言うものでした。きっとこの女性を上司と持つ事で何か自分にとってのレッスンがあるのだろう、と。もしくは状況の方が先に変わる可能性だってある、と。
 
彼女を自分の上司として受け入れる過程で、怒り、悔しさ、屈辱感等々、様々な感情と向き合う必要がありました。こうして今は、この状況は受け入れる事ができる様になりましたが、彼女を上司として、人間として尊敬する気持ちにはならなかったし、今後もならないと思います。逆に、私は彼女の様には絶対ならない、私は常に周りに誠実でありたいし、常に相手の為、お客様の為に貢献したいと言う気持ちは変えない、そういう決心がより固まった、と言う感じです。私を利用したいなら利用しろ♪ 首にするなら、首にしてみろ♪ と、開き直って仕事してます(笑) ぼちぼちと次のチャンスが見え隠れし始めているのですが・・期が熟したらこちらでもご報告させて戴きたいと思います。
 
その自分の信念、'私は常に誠実でありたい、正直者でありたい、周りに貢献する、を第1に考える’を、変えない決意を助けてくれているのが、マザーテレサのこの詩。人生は理不尽な事、不公平な事が当たり前なのだ、と。その中で、自分がどうありたいか、が重要なのだと思い出させてくれる詩です。このフィロソフィーは、マザーが愛唱していたとされる、そして私も大好きなセントフランシスの詩の根底にも流れています。。。理解されるより、理解する事を。愛されるより、愛する事を。。。まずは自分から、そして相手へ。
 
マザーのこの詩は、You Tube にもありました。興味のある方は
こちら=> You Tube

(詩引用) Do it anway.....

People are often unreasonable, illogical, and self-centered;
Forgive them anyway.
If you are kind, People may Accuse you of Selfish, Ulterior motives; Be kind anyway.
If you are successful, you will win some false friends and some true enemies; Succeed anyway.
If you are honest and frank, people may cheat you;
Be Honest and Frank anyway.
What you spend years building, someone could destroy overnight; Build anyway.
If you find serenity and happiness, they may be jealous;
Be happy anyway.
The good you do today, people will often forget tomorrow;
Do good anyway.
Give the world the best you have,and it may never be enough;
Give the world the best you've got anyway.
You see, in the final analysis,
it is between you and God;
It was never between you and them anyway.

(訳)

とにかく、やりなさい

人々は、時に、分別が無く、不合理で、自己中心だけど、とにかく許しなさい。

もしあなたが親切だと、人々は、あなたを自分の事ばかり考え、腹に一物あると責めるでしょうけど、とにかく親切でありなさい。

もしあなたが成功してるなら、偽りの友人と本当の敵を持つかもしれないけれど、それでも成功しなさい。

もしあなたが正直で実直なら、人々はあなたをだますかもしれない。それでも、正直で実直でありなさい。

あなたが何年もかかって築き上げた物を、人々は一晩で破壊するかもしれない。それでも築き上げなさい。

もしあなたが、平静さと幸せを見つけたら、人々は嫉妬するかもしれない。それでも幸せでありなさい。

あなたが今日行なった良い事を、人々は明日には忘れてしまうでしょうけど、とにかく良い行いをしなさい。

世界に、最高のあなたを与えなさい、それでも十分ではないけれど、とにかくあなたの持つ最高の物を世界に与え続けなさい。

最後の評価では、あなたと神との間であって、あなたと彼らとの間ではなかったのですから。

(訳終わり)

と言う訳で、今年も後4日。大掃除がまだまだ残っているのですが・・・(汗)

来年が、平和で幸せに満ちた素晴らしい年でありますよう・・・・

NYCに向かう飛行機の上空からマンハッタンを臨む。

ワールドトレードセンターの無いマンハッタンは何か寂しげです・・・

 

 


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コメント 11

YAP

以前、同じようなことをコメントさせてもらったような気がしますが...
私も似たような状況でもがいています。
私の場合、相手は社内ではなく、直接のお客なので始末が悪いですね。
同じ商品を共同で開発するわけなので、目的は同じ、お互いに協力していかなければならないことは頭では理解しているのですが、あまりの性質の悪さに、そういう気になれません。
私の周りの百戦錬磨の同僚達も、「あんな人たちがこの世で社会人として働いていることが信じられない」と言うほどです。
まあ、それも実力のなさから来る態度なのだろうと思います。
どう考えても、技術的に他社から10年以上は遅れているお客様ですので。
私も、これは神様から与えられた試練だと思うようにしています。
お互いに2007年は這い上がりましょう。
by YAP (2006-12-29 19:13) 

Jalana

成り上がり学(?)的にはできの悪い上司が自分の上にいるときは
チャンスだってこともありますからね。
でもとにかく正しい目的に向かうことこそ大切。
正しい考えや行動はきっと報われると信じてます!!
by Jalana (2006-12-29 21:51) 

mami

マザーの詩を読んで泣きました。
じゅんちゃんありがとう。
この経験談は、私にとって助けになります。
何度も読み返します
by mami (2006-12-30 00:28) 

ローズパイが好きならおう

ほんとうに大変ですね。
私は、短気でしたし独立するタイミングにもなっていましたので、子会社への転属を機会に辞めて独立したのですが、どこにでもそういった人はいるものですね。
マザーテレサの詩を読んでいて、泣けてきました。
利益だけを追求し我欲に走って行き着く先は破綻しかないのですけど。
今一時が良ければとなってしまうのは人の性なのでしょうか?
今、読み掛けている「ブレイブストーリー」著者宮部みゆき はそのあたりを鋭く描いていると思います。
by ローズパイが好きならおう (2006-12-30 22:51) 

Zunko

YAP さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。
本当に・・お客様だと相手は尚更付け上がるかもしれませんし、商談がぱーになっても困るから下手な事は言えず始末悪いですね。。。仕事で関係する方達とは簡単に縁を切る訳にも行かず、YAPさんおっしゃる通り、神が与えてくれた試練、と思います。今の子供達は、いじめられて自殺したり引きこもったりしてしまう様ですが、いじめや虐待は、いつの世の中、大人になっても必ず対峙する事なのですから、周りの大人達(特に親)は、そんな子供達が逆境に立ち負かって行ける様な強い精神力を付けられる為、支えてあげて欲しい、と思います。百戦錬磨のYAPさんにはいつも暖かいお言葉を戴いて、とても勇気付けられます。有難うございます・
by Zunko (2006-12-31 12:17) 

Zunko

Jalana さんへ こんにちは♪
ナイス &コメント 有難うございます。
成り上がり学、って笑えますね~。おっしゃる通り、できない上司は、何でも好きな事やらせてくれるんですよね~。私が決めた事にノーは絶対言わないんですから。。むかついているのは、私自身の彼女に対する競争心と腐ったプライドです(笑)。後は、そう言う汚い卑怯な手を使う事がどうしても許せない、と言う変な正義感のせいですが、おっしゃる通り、正しい考えや行動やは必ず報われる、と私も信じています。ライブドアーの掘りえもんがその良い反対の例、でしょうか。。。
by Zunko (2006-12-31 12:21) 

Zunko

ローズパイが好きならおう さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。
そうですか。。それを機会に独立されたのですね・・・・それはそれで良かったのでしょうね。。私にもその知財と財力があれば・・・(笑) アメリカにも私と同じ様に考えているアメリカ人はたくさんいて、そう言う方達は、やはり独立されてご自分でビジネスを始めたりされてますね。私も、私利私欲に走る先は破綻しかない、と思っております。ご紹介いただいた本、私も読んでみようと思います。有難うございます。
by Zunko (2006-12-31 12:31) 

Zunko

mami  さんへ こんにちは♪
コメント有難うございます。
私の体験が、お役に立てれば嬉しいです。
マザーのこの詩は、彼女の詩の中で異質の様に私は感じています。この世の不公平さとか理不尽さに対する痛み、それを通り越した視点、と言う物を考えさせられます。
by Zunko (2006-12-31 12:36) 

Anyway

引用なさっているマザー・テレサの詩ですが、Kent. M. Keithという人(現在ハワイ在住)がHarvardの学生だったときに考えついた、逆説の十戒(The Paradoxical Commandments)と呼ばれるものです。引用の詩と一部違っているのはマザー・テレサが改変したのかもしれません。
by Anyway (2010-06-03 00:11) 

Anyway

連投失礼します。
Kent Keithが2002年に出版された本のForewordの中で書いていることですが、自分が1968年に書いて出版したものが世界中に流布し、Mother Teresa:A Simple Pathという本で、詩という形にreformatされ、また十戒ではなく八戒になってはいるが、日の目をみていることを知ってI was deeply moved.だと。
by Anyway (2010-06-03 00:29) 

Zunko

Anyway さん へ

誤りをご指摘戴きまして有難うございます。
私も調べて見ました所、Mother Teresaが、この逆説の十戒のうちの8つを引用し、”Anyway"と言う題名をつけて、カルカッタの子供の家の壁に貼っていたのを、Mother Teresaの本に引用されたそうです。そのKent M Keithと言う方は、その事を知った後、2002年に再度、The Paradoxical Comandmentsを出版された様です。
知りませんでした。このAnywayはマザーテレサの詩として有名なので。

by Zunko (2010-06-03 00:57) 

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