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Hollywood への道 [亜米利加生活]

10月16日(火)

昨日、松坂が先発で出て4失点で降板、レッドソックスがインディアンズに負けて、2-1。早速、レッドソックスは松坂に1億ドル以上も投資してこの情けないざまだ、対するインディアンズの投手ウエストブルックは安上がりの三千三百ドルだけだ云々と、松坂をこき下ろすニュースがあちらこちらで聞かれた。今日もレッドソックスが負けて、インディアンズがアメリカンリーグの優勝に王手。レッドソックスが破れたら松坂は何言われるかわからない。。。アメリカって厳しい。成功者、貢献者には惜しみない賞賛と報酬を与えるけれど。ちょっとでも失敗する容赦ない批判。ヤンキースもプレイオフ一回戦で負けたら即監督は首だ、と言う話で持ちきりになっていた。松井は来年どうだろう。バリーボンズも桑田も簡単に首を切られる世界。。勝者の影に敗者あり。その立場は常に簡単に逆転する光と影の表裏一体の様なものだけれど。自由競争と言う名の弱肉強食のアメリカ社会は、そろそろ限界を迎え新たな方向づけが必要になっていると強く感じる。世界の為に、地球の為に。

今日は、ロスのお友達がやっている劇団の簡単なご紹介。

彼女の劇団の名前は、NC Seventeen http://www.ncseventeeninc.org/ 
型にはまらない方法や余り取り上げられないテーマで、劇を演出する事をモットーに活動している。その収益金は、家庭内暴力や虐待を受けた人達が身を寄せる事ができるシェルターを運用している団体へ寄付されている。

その型破りな活動が認められて、Hollywoodでも有名なProducerや俳優のサポートを得て、今回の劇の上演となる。タイトルは、True Confessions -Confessionと言う言葉は、キリスト教的には懺悔と言う意味で使われるけれど、この場合は、どちらかと言うと、’真実の告白’と言う方が劇の内容にふさわしいかな。。

YouTube に劇のティーザーキャンペーンがありますので、ご興味のある方はこちらをどうぞ。。

劇が上演されている劇場は、こちらです。11月3日まで毎週金曜と土曜(木曜は招待客のみ)やっています。

the Flight Theater

実は・・劇場の前にたどりついた時、少々驚いたのです。


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場末、と言うのか。。。日本だと、4畳半に裸電球、と言うか。良く学生の頃に行ったライブハウスの様な。。要は、昔アパートやオフィスビルやお店だった様な建物を改造してスタジオや劇場にした様ないでたちの場所。そして、この劇が行なわれたThe Flight Theater の隣もその又隣も、同じ様な小さい劇場がいくつか並んでいる事にも更に驚いた。

一歩中に足を踏み入れて。。。その驚きが、深い感動に変わる。


ここは、昔ひょっとしたら、アパートか何かだった所に違いない。こうして狭い廊下の両側に、所狭し、と劇場とプロダクションスクールが並んでいる。。

ビルの中は、無造作にサイケっぽく、パステルのペンキが塗られていて、それがレトロな建物とミスマッチをしている所に尚更、哀愁を感じる。

ここで。。ハリウッドのデビューをいつか夢見て頑張っている、俳優、映画監督、プロダクション(ライト、メークアップ、衣装、大道具、小道具云々)の方々が、こうして地道に活動をしているのかと思うと、胸が熱くなる。。

私のお友達も、劇団とプロダクションカンパニーを持っているからと言って生活を支える為に他に仕事をしている。それでも、こうやって夜の活動を頑張っている。。そのお友達自ら劇に参加していたのだけれど。皆、本当にきらきらと光輝いている。。自分の夢に向って好きな事をしている人は、何て美しいのだろう。。。さあ、私も夢に向って頑張ろう♪

因みにステージは、非常にシンプルな小道具、大道具。


劇は、6人の人が其々の告白をして行き、最後にそれが一つのメッセージとなって伝えられる。構成としては、一つ一つの劇が20分位の短さだけど、一つ一つの話に込められたメッセージが非常にディープで、それが最後に1つのストーリーとしてつながった時に、更に深いメッセージとなる。。私は、それぞれの個別の劇でちりばめられたプロットをいくつか抑えられず、最後に全部つながらなくて ??? 状態。。 劇の後に、友達に説明してもらって、あ~そういう事だったのか、と情けない有様でした。

この劇の一部で、50年代に有名だったシドシーザーと言うアメリカのコメディアン(私は彼の事は全く知りませんでした)が演じた、Argument to Beethoven's 5th symphony ーベートーベンの第五交響曲(運命)を使って、男女の議論をパントマイムで演じたコメディーのリメークをやって。それが超面白かったので、その50年代のオリジナルのビデオをYouTube にありましたので、興味の在る方はどうぞ。。もう、これを見て以来、ベートーベンの運命が、議論の曲だった様な気がして、その映像が頭から離れません。。

アメリカ(特にハリウッド)は、こうやってクラッシックを型破りに使用するのが多いですね。。それがハリウッドの醍醐味なのかもしれませんね。。


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TaekoLovesParis

ベート-ベンの第5のYouTube、男の人の動きだけ見ていると、指揮者
の動きと同じですね。特に最近の指揮者は表現が豊かなので、そう
感じてしまいます。

私の友達にも学生時代からずっと演劇をやっている人がいて、その
打ち込み方はすごいです。家が郊外なので、稽古がはじまると、
稽古場のそばにホテルをとって熱中。時々「私、夫がいたんだ」と
思い出すそう。「昔から、役者は3日やったらやめられないって言うけど
ほんとそうよ」って言ってました。

夢に向かって走ること+何かを作り上げることは、きっと、アートじゃない
普通の仕事での達成感の何倍もなんでしょうね。自分の力が世の中を
変える、人々の意識を変えるという実感があるのでしょうか。
by TaekoLovesParis (2007-10-17 23:41) 

「トキワ荘」と「ザ・スズナリ」(下北沢の小劇場)を足して、
アメリカ風にした感じでしょうか・・・そんな簡単なもんじゃないか(笑)
この舞台、まるでデイヴィット・リンチの映画に出てくるような
妖しさですね、好きです、こういう感覚。
劇、というより、昔、フルクサスがやっていたような
コンセプチャルアートのようですね。オノ・ヨーコが舞台に座り、
観客が一人一人、はさみで彼女の衣服を切っていく・・・
タイトルは「カットピース」。なんでも、ピース(笑)

僕も劇団の友達が多少いますが、貧乏ですね。貧乏だけど、無名だけど
たぶん、ハリウッドスターに負けないほどの演技力はあると思う。
自分の好きなことをやって、貧乏、あるいはそこそこお金がある人は
正直な道筋を歩んでいるような気がしますが、
必要以上に大金持ちの人は、どこか自分の真意を軽く裏切っている、
どこか時代に迎合している、どこか自分を見失っている・・・
全てではないですが、どこかそんな気がします。

小さな劇場で、自分の追求するものを真摯にやっている方、
素敵です。でも、最初はみんなそう。デ・ニーロも、
アル・パチーノも、あのミッキー・ロークだって
そうだったかもしれない・・・その志しをハリウッドの
パワーゲームに食い荒らされないことを心から祈ります。
ポール・ヴァーホーベン(オランダの監督)も母国にいる時は
素晴らしい名匠でしたが、ハリウッドのプロデューサーシステムに
あの独特の才能を完全に潰されました。

僕も最近、金になる仕事にどんどん走っていましたが、
ややあって、大きな方向転換を迫られています。
自分が今、幸せだと感じていない(仕事的に)ことに気がつきました。
僕もキラキラしたいと、いま、真剣に思っています。
何がしたいの・・・?なんてヤボな質問はナシね(笑)
by (2007-10-18 00:40) 

lingnam

ちょっとだけ山篭りをしていたのでご無沙汰してしまいました。
遅ればせながら400投稿(401投稿というべき?)おめでとうございます!

あらためてアメリカのエンターテイナーの層の厚さを感じました。
皆こうして一歩ずつキャリアを積み重ねて
いつの日かハリウッドへ、ブロードウェイへ・・・なんでしょうね。
by lingnam (2007-10-18 17:30) 

HAL

アメリカでは野球もショーの世界も、みんなメジャーになるために頑張ってますよね。
日本はまだなにかが足りないような。。。
by HAL (2007-10-18 20:21) 

naonao

小さな劇場でやってる人たち本当にたくさんいますね。
私も時々行って観客として楽しんでます。
by naonao (2007-10-18 20:50) 

YAP

こういう小さなところから大きなステージを夢見て努力する、そして、それをかなえる人が実際にいるというところがアメリカンドリームなのですね。
by YAP (2007-10-19 08:04) 

Zunko

TaekoLovesParis さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。

私は、世界中からやって来る文化を享受していた東京を離れてしまって以来、世界一流の○○から遠ざかってしまいまして。Taekoさんのブログで魂の滋養をさせて戴いておりますが(笑)。指揮者の表現が豊か、と言うのは体全部を使った感じなのでしょうか?私は、3大テノールで指揮者をやっていたMehtaみたく、体全部を使って指揮をするのが大好きですが、やはり、カラヤンの様に、背筋はまっすぐ伸ばしたまま、魔術師の様な腕から指の動きだけで表現するのが正統派の様な気がして好きですね。。多分、そう言う指先や腕のしなやかで細やかな動きができない人が増えて来たのかもしれないですね。

演劇の好きな方がのめりこむ気持ちはわかりますね。。何て言うか、ほんと、別の人間が取り付いた様に見えるのですよね。演じてる方は、きっと別の人になりきっているのでしょうしね。。私は、舞台で演じる人より、舞台裏で全体を演出するダイレクターの方が多分好きですね。

おしゃる通り、芸術もそうでしょうし、文化を作り上げると言う事は、社会に対するメッセージが込められているのでしょうから、その実感と言うか使命とか、あるのかもしれないですね。

でも、詰まる所、何であれ、自分が大好きなこと、心が望む事をやってる人は、きらきらしていると思います。
by Zunko (2007-10-20 15:10) 

Zunko

コールドターキー さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。

んで、何がしたいの?(っていきなりここから入るなって感じですね・笑)

なかなか難しいですよね。。好きな事が仕事になると、ただ好き、と言う気持ちでなくなる、と聞いた事はありますし。養う家族がいたら、好きな事ばかり追求してる訳にもいかず、生活を支える為の先立つ物が必要な訳ですし。。。良い方向に発展して行くと良いですね。。そして、いつまでも、きらきらと輝いていてください♪

やはり。この辺が詳しいコールドターキーさんの足元にも及びませんが、
私も、この劇場に一歩足を踏み入れて思い出したのは、新宿にある名前は忘れた寂れたライブハウスとか、裸電球に4畳一間、みたいな感じですからね。。なかなかトキワ荘とザ・スズナリ、は言い当てているのかも。。
下北沢ってこう言う感じの場所たくさんありましたね。。

舞台全体がアートと言うのもとても言い当てています。
だから、例えば、目隠しをしている人が出てきて、それが不自由さを表現しているとか。。私はそういったいくつかのプロットがわからなかったので。自分の頭が固くなってしまった事に気づいて焦りましたね。。

やはり、お金は人を変えてしまうのではないか、と思います。怖いです。
それと、自分の好きなことをやって、食べていけない人は、他に仕事を持ちながら、時間を作って好きなことをやっているので。そのエネルギーと言うか、意志は物凄く強いと思います。

私の友達の賢い所は、もちろん著名なハリウッドのプロデューサーのバックアップを得ているというのもありますが、まずはNPOから始めたんですよ。非営利団体ですから、基本的には演じられる劇は全て募金活動の為。それだと、潰されようが無いというか。。この劇もロスから始まって、全米ツアーをしたい、なんて話をしていました。そうやって、地道に頑張って、いつか、アカデミーのショートドキュメンタリー辺り取って欲しいなあ~なんて思います。

私も、ご存知の通り、まだまだ夢は捨ててませんから♪
お互いがんばりましょ~♪
by Zunko (2007-10-20 15:26) 

Zunko

lingnam さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。

おおっ山篭りですか?どこ行ってらしたんでしょ~ 早速遊びにいかなきゃ♪

ほんとに。。ハリウッドのお膝元に、こう言う小さい劇場や学校が所狭しとたくさんひしめいていたのが、とても印象的で。ニューヨークにもオフブロードウエーより更にオフの場所に、こう言うのがたくさんあるそうです。

アメリカンドリームの凄いところは、そうやって目指す頂点があると言う所かもしれませんね。。ハリウッドにブロードウエー。スポーツもそうだし。

そう思うと、日本はどうなのでしょ?宝塚?劇団四季? あんまり思いつかないですね。。子供の頃、母に連れられて、東京の人形町の明治座にお芝居を良く見にいったんですね。故杉村春子さんに代表される女優さんが出場される、家族や人情物のお話。私はそんなのを小学校の作文に書いていたりして、今思えば、恵まれていましたが、そういう劇は今はどうなってしまったんでしょう? 
by Zunko (2007-10-20 15:32) 

Zunko

HAL さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。

おっしゃる通り、私も同じ湖とを考えておりました。プロスポーツもそうですし、ブロードウエーやハリウッド。。皆が目指す場所があるけれど、日本は一体どうなんだろう?? と。 

日本は、私の生活の経験から。。出る杭は打たれる、だったかな。。今もそうなのでしょうか。。
by Zunko (2007-10-20 15:36) 

Zunko

naonao さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。

Naonaoさんは、もうね、物凄い数の映画や劇を楽しんでいらっしゃいますからね。。こう言う小さいのも見ていらっしゃるのですね。小さい寂れたライブハウスもそうなのですが、舞台と近くて、何とも言えない、親密感と言うか、一体感が凄く良いですよね。
by Zunko (2007-10-20 15:38) 

Zunko

YAP さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。

アメリカンドリームって、誰もが夢を見る事ができる、と言うのが素晴らしい所なのかもしれませんね。。出身地や出身校や家族構成や学歴や何やら一切関係なくて。その人が優れていれば頂点に上れる。。シリコンバレーの会社も皆一代で築かれた会社ばかり。。そういう意味では、本当の意味でのアメリカンドリームってカリフォル二アが一番強いかな。。ゴールドラッシュの一攫千金のカルチャーそのものですね。
by Zunko (2007-10-20 15:41) 

Zunko

krause さん、HAZUMI  さん、 夢空さん、どらっちさん、ローズパイが好きならおう さん、 xml_xls さん、 とらばろん さんへ こんにちは♪
ナイス 有難うございます。
by Zunko (2007-10-20 16:59) 

newyork

べト5、爆笑でした。昔のルームメイトがその当時、NYにがんばってやってきた頃で、ダウンタウンのこういう小さいシアターに出ていて、見に行ったことがあります。今では「Sex and the City」に出るくらいのアクターになってしまいました。みんなこうやってがんばっているんですよね。私も初心を忘れずにいつまでも前進していきたいです!
by newyork (2007-11-11 08:00) 

Zunko

newyork さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。

やはり。Newyorkさんは絶対ここに反応するだろうと思っていました(笑)
業界用語で、べト5 と言うのですね~。べト9とかも言うのでしょうか?
本当に・・こうやって始めないと何も始まらない、と言うのがわかって、凄く勉強になりましたね。。でも、ほんと皆きらきらと輝いていて。。
Newyorkさんは、ご自分の好きな道を行かれて、きらきら輝いているのでしょうね。。
by Zunko (2007-11-11 19:05) 

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