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アメリカンフットボールが好きな理由 [亜米利加 仕事編]

 2月17日(土) スポーツの話に仕事編サブタイトルとはこれ如何に・・・

いつもこんな難しい事を考えてアメリカンフットボールを見ていると思われるのは大きな誤解で、アメリカ人のおっさん達の様にビール瓶片手に’うぉ~www’と雄叫びあげながら盛り上がったりしてるのが実際の楽しんでいる姿と言えます・笑 

が、2年前まで全く眼中にも入らなかったアメリカンフットボールが、ルールをある程度理解した後、’楽しい’と思えたのは、大きな理由があります。

それは・・・

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アメリカンフットボールのチーム運営が、アメリカの会社の一般的経営の姿をとても良く現している、と思ったからです。それと、NFLと言うリーグを1つの商品として売り出すマーケティングの絶妙な方法、これが、アメリカ人に対しての商品マーケティングをプランする参考になる、と言う点です。娯楽をビジネスに関連付けてる事自体、私のポリシーに反しますが(笑)、そう言う観点でフットボールを見始めたら、単純に両チームの闘いを楽しむ以上に楽しい、と言う事に気付き、どっぷりはまってしまいました。

まず最初のポイントから行きますが。私は、どちらかと言うと日本の会社に勤めてはいたのですが、割とオープンでフラットな組織だったので、所謂ハイアラーキーと言うか、自分が組織の部品と思った事は殆ど無く、組織や会社全体のダイレクションや動きがどうなっているか、その為に自分は何をする必要があるか、と言う事が明確でしたし、自分が何かをする事によって少なくとも自分が関わっている商品グループの業績にどの程度貢献できているのか、も理解できていました。

ところが、アメリカに来て見ると、日本以上に担当・役割が分業され、且つトップダウン式経営型マネージメントが多い事に気付きました。これは、以前引越し屋のブログを書いた時に触れましたが、例えば’私の引越し’、と言う一連する動きに、私が7人の人と連絡を取らなければならなかった、と言うのがその典型だと思いますが、セールスの人、現場監督、アポを取る係り、クレーム処理班云々、の様に責任が細かく分かれていて、其々の担当者は、其々の責任分野のみ理解しているので、その責任範囲を超えると、同じ会社の中の、他の人、の仕事、となり他の担当者が出てくるのでしょう。ベルトコンベアーに載せられて作られる商品の様な気分になってきます・笑 家具などを買っても、配達を担当するのは、売り場のセールスではなく、物流担当の責任となるのですが、例えば配達が遅れたりすると、今度はカスタマーサービスとなる。。このカスタマーサービスはお店で接客し、何故その商品を買う事になったかの過程は全く知らないのでマニュアルどおりの心のこもっていない言葉しか言わない。

お客の立場からは非常に不便な現場レベルので細かい分業体制、誰もがスペシャリストなのは(例えばタイトルが、オーダーハンドラー、とか、アカウントレシーバブルアドミニストレーター等)、組織の中では責任が非常に明確ですが、二つの弱点があると思います。

1つは、予想外の出来事が起こってしまうと、担当者による現場対応ができないので、その現場の最高責任を持つマネージャーの判断、となります。所謂鶴の一声。この最高責任を持つ方がへぼで判断を間違えると皆共倒れ、って感じでしょうか。この辺、私の経験による判断ですが、日本人以上にアメリカ人はマイクロマネージャーが多いと感じます。タクティカルな指示が多い。例えば、隣町に行って、いつまでに○○を取りに行け、と言う指示であれば、取りに行き方のタイミングや方法はその人の判断にゆだねられる訳ですが、高速40番を使って270番の出口で降りろ、みたいな指示が多いのです。

もう1つは、この分業体制の中に入ってしまうと、自分がやってる事が一体組織や会社のビジネスにどれだけ貢献しているのだろうか、と見えなくなって来る時があるのですね。人間には、二つタイプがある、と以前会社の先輩に教えて戴いた事があるのです。日本語で木を見て森を見ない、と言う表現がありますが、木は見えて森が見られない人と、森を見て木を見る人。視点がミクロ的か、マクロ的の二つのタイプで、その人の得意分野が違ってくるのですね。どちらがどう良いか悪いか、と言う問題では無く、適材適所を考える際、非常に重要なポイントになってくるのだと思います。

私は後者のタイプなので、自分がやってる事が果たしてどれだけの貢献度があるのだろうか、組織全体が目指すダイレクションに自分のやってる事はあっているのだろうか、もっと他のやり方があるのではないだろうか、と思う時が多いのですね。割り切ってしまえば、自分は自分の与えられた範囲の責任を全うする、に喜びを感じられるのかもしれませんが、私は、これに時々物凄いフラストレーションを感じます。

このフラストレーションを一気に吹き飛ばせるのが私の場合フットボールです。フットボールは、オフェンスとディフェンスのメンバーが違います。攻撃と守備のメンバーが別で、完全に分かれて出てくる他のスポーツを私は知りません。野球はどちらもやりますし、サッカーは同時にフィールドにいる。其々のポジションの責任も非常に明確です。キッカーなんかはキックしにしか出てきませんし。強いて言えば、ディフェンスのセカンダリーかな(私の好きなスティーラーズのポラマルがそうですが)は、空いてる所に入るヨットで言うフローターみたいなポジションですね。。ヘッドコーチはグランドにいて、彼をサポートするディフェンスコーディネーターとオフェンスコーディネーターはグラウンドとスタンドの別々にいて、醜いモトローラのワイヤレスヘッドセットで戦略・戦術について常にコミュニケーションを取っています。そして、司令塔のクオーターバックが攻撃時にボールを出して攻撃を進める・クオーターバックがボールを出してランナーが走りボールをキャッチしてタッチダウン。。典型的盛り上がりの場面ですが、その背景には、クオーターバックがボールを出すために相手チームを阻止しているメンバーがいたり、ランナーが走りやすいよう敵をブロックしてるメンバーがいる訳です。これが1つでも旨く行かないと、ボールが出せなかったりランナーがボールの飛ぶ方向に走れなかったり、するのですね。こう言うQBやランナーの花形プレイヤーに隠れた縁の下の力持ちの働きがとても面白い。。。もしくは影で作戦を立ててる出あろうゲームプランを見るのが面白い。。自分はこうやって組織の役に立っているのだ、と思える、そんな瞬間な訳です。。うーむ、そんな事を考えて見てる私はあほなのでしょうが、この話をアメリカ人にすると皆、同感だ、と言います(ほんとかな・笑)。確かにフットボールはアメリカのブルーワーカーがメインターゲットなのかもしれませんが、少なくとも私の知る限りはコーポレートのエグゼクティブクラスの人も楽しんでいますから、私の見方はひょっとしたらそれほど外れていないのかもしれません。。

スーパーボールで、MVPを取ったコルツのクオーターバック、マニングは、コマーシャルに出たり、日頃ゲームをやってる時もきんきん声で叫んだりして、何かと目立ちたがり屋に見えていましたので、私は好きになれなかったんですが。

スーパーボールの表彰式の時に、’これはチーム全員で勝ち取った勝利だ、私はこのチームの一員でいられた事を誇りに思う’と言っているのを聞いて、彼を見直した次第です。この謙虚さがあるからこそ、こうして頂点を極めたチームの司令塔なのでしょう。。

もう1つのマーケティング云々は、説明するまでも無いと思いますが。。来年はヨーロッパや中国でゲームをやるそうですし、世界展開を狙っているのでしょうね。スーパーボールが終わった途端、勝ったチームの’チャンピオン’と書かれたグッズが即売り出されるのも凄い、と思いますし。

恐らくスーパーボールのターゲットは、35歳から54歳の男性、とお見受けしますが、そのターゲット目指して出されるコマーシャルはちょっと笑えます。

今年気付いたのは、去年に比べてコマーシャルを出した企業の数が減った様に思います。アメリカ系車会社、ビール会社、ファーストフード、清涼飲料水、レンタルビデオ屋、が主な所で、後はワンスロット位ずつで大した事無かったですね。。コンテストに勝った一般視聴者が作ったコマーシャルもいくつかあった様ですし、多分、宣伝広告の方法が変わって来て、莫大なお金を使ってテレビコマーシャルを打つ時代は終わったのかな、と言うのが個人的な感想です。

余談その1. キックオフの瞬間、守備側がボールをキックして攻撃側がボールをキャッチして両チームが交わる瞬間。これは、日本の戦国時代に戦士が馬にまたがり刀をかざして出陣する瞬間にそっくりで、これを見るのも本当に楽しみです(笑)

余談その2。。プリンスの紫の衣装で雨の中パープルレイン、絵になりすぎていて、目に焼きつき未だに忘れられません・・・。未だに会社通勤の車の中で聞いてまして、’フーフーフーフー’なんて言いながら運転しています・笑

 


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コメント 6

どらっち

昔、ESLの先生が、フットボールは、あんなルールじゃなかったのよ、って
いってました。オフェンス、ディフェンスが一緒だったらしいです。けど、
戦争で、若い選手がいなくなり、それでもフットボールがみたい、やりたい
アメリカ人は、ジジさん選手でゲームを続けたと。で、体力がもたないので、
今の形になったのよ、って。・・・ホントかなぁ。
けど、フットボールって、アメリカらしいスポーツですよね。
分業がしっかりしてて。迫力もあって。モールで買い物中に、フット
ボールのゲームがテレビで流れてたのだけど、シーズン中は、ゲーム中心
の生活なのね、この群衆は・・・と思いました(笑)
あと、私もprinceを、惚れ直しました(^^)

私は「それは私の仕事じゃないから、知らないわよ」と言われた事が
あります・・・。きっと、言われたことがない人はいないと思う(爆)
by どらっち (2007-02-18 02:48) 

Zunko

どらっち さんへ こんにちは♪
ナイス&コメント 有難うございます。

そうなんですか~。もし本当だったら面白いですね~。でも何となく、ルールが変わって行く、と言うのはわかる様な気がします。例えば、コーチによる審判の判定に対するジャッジも、VTRができてから導入されたと思えますしね。。(VTRで再生された画面を見て判定し直すなんて。。)

ほんとにアメリカらしいスポーツですよね。あのラインバッカーやディフェンスのフロントの300ポンド位ある人達の肉塊通しのぶつかり合い、凄いですよね。。

そうですね。もう今ではすっかり慣れましたが、私の仕事じゃないと言われた時、結構切れましたね、以前は。。おまえはこの会社で働いとらんのか~、と言った事あります(笑) お客様を大切にする心、あんまりないみたいですよね。接客業してる人達なのに。。人にもよりますけれどね。。。
by Zunko (2007-02-18 14:07) 

カズ

こんにちは。
フットボールと目に入りまして書き込みさせていただいております。サウスフロリダにちょっと在住していました。
所有権の意識といいますか、アメリカの歴史が土地の奪い合いから始まったというのがたぶんあって、ボールがどっちかに決まっていて攻守をはっきりさせておくっていう「ルール」がないとあの国はやっていけないんじゃないかと思います(笑)。ヨーロッパのサッカーのようにボールがダーッとあっち行って、ダーッとこっちに来て、選手もダーッと走っている、さらにロスタイムなどの時間の曖昧さ加減がたぶん許せないんじゃないかと^^ 残りはあと何分、タイムアウトはあと何回、客観的に誰にもわかる、なんでもきっちりフェアにしとかないといけないよっていう。
スミマセンいきなりこんな書き込みで。
by カズ (2007-02-18 14:43) 

Zunko

カズ さんへ  こんにちは♪ はじめまして。
ナイス& ご訪問並びにコメント 有難うございます。

私もマイアミに住んでいたのですよ。サウスフロリダのどちらにいらっしゃったのでしょうか?

所有権の意識。。なるほど、それは面白い見解ですね。物凄く納得します。土地を奪う闘いの後、権力を争う南北戦争、今迄そう言う見方をした事なかったのですが、この国の歴史はずっと闘いに勝って権利を奪取する。。そんな感じなのかもしれませんね。それとアメリカ人は思考が単純にできてるかもしれない、と思った事ありますが、それがゲームに表現されているのかもしれませんね。
いえいえ。フットボールでこう言う談義ができるとは思いませんでしたので嬉しいです。有難うございます。良かったら又遊びにいらしてくださいね。
by Zunko (2007-02-18 22:40) 

カズ

おはようございます。Zunkoさんマイアミにもお住まいでしたか。私はフォートローダーデールのわりと近くでした。在住と書いてしまいましたがそんな長いものでもなかったですが^^;

フットボールをアメリカの国民性や歴史と照らし合わせると本当に奥が深いですよね。またカレッジフットになるとその土地の色がまた出るところが最高です。南部の、アラバマやオーバーンのような泥臭いど根性フットボールが私はやっぱり好きですよ(笑)。
by カズ (2007-02-19 04:20) 

Zunko

カズ さんへ こんにちは♪
コメント有難うございます。

そうですか、ローダー辺りにお住まいでしたか。私は時々ヨットに乗りに行きましたよ。

ほんとうに、おっしゃる通り、アメリカンフットボールは割と新しいスポーツゆえ、発展途上な所がよりアメリカの文化を反映しているのかもしれませんね。ゲームの前に選手が走って出てくる所なんか、肉食の野獣としか思えませんし(笑) 

カレッジフットボールはね・・バスケもそうなんですが。アメリカ人は大抵、自分の出身校や出身校があった同じ州のカレッジを応援するのですよね。マスコットが各校あったりして、かなり盛り上がるのですが、私はアメリカの大学を出ていないので、こればかりはアメリカ人の中に混じって余り盛り上がれず、寂しいですね。私も南部の素朴な田舎者、大好きです。
by Zunko (2007-02-19 14:31) 

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