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トランプに関して。 [亜米利加生活]

2017年2月7日(火)

遅ればせながら(かなり遅い・汗)、新年明けましておめでとうございます。
皆様のご健勝とご活躍を心よりご祈念致します。
本年も何回書けるかわかりませんが(苦笑)、宜しくお願い致します。
立春後3日と言う事で、2月になってからの、新年のご挨拶をお許し下さい。

トランプが大統領に正式に任命される就任式が終わり、トランプが正式にアメリカ第45代大統領
となりました。なった途端、選挙活動中の公約を大統領令(英語ではExecutive Orderと言いますが)の権限により議会を通さず、色々な事を[自分勝手に]決めています。
本件に関しては、就任式のスピーチも含め、下記に私の意見を述べたいと思います。

私は、就任式はTVで見なかったので、就任スピーチは文章を読んだだけですし、
トランプが大統領になってからは、TVのNewsで彼の姿を見るのもおぞましく、
TVを余り見なくなりました(笑)。
とは言っても、フェースブックやインターネットは使用しているので、
彼が何を言っているか、嫌でも情報は入って来ますが、
それを聞くにつれ、嫌悪を通り越して、末恐ろしさを感じている今日この頃です。

何はともあれ、一つだけ言える事は、誰が大統領になろうと、私と言う人間のあり方、生き様、
価値観は、全く変わらないし、変えない、と言う事。そして最近は、機会がある度に、
私の意見を発言する必要があるのではないか、と思い始めました。

では、まずは、何故トランプが大統領に選ばれたのか、私の意見を述べます。

恐らく、選ばれた本人が一番驚いているとは思いますが(笑)。
因みに私は政治学の専門家でも、経済学の専門家でもありませんので、
ここに述べている内容は、私の個人的意見であり、私の意見に対して、正しいか間違っているか、
右か左か等の議論をするつもりは全くございませんので、あらかじめご了承下さい。

トランプが(失礼ながら、彼に敬称はつけません・笑)大統領になってしまった今となっては、
何を言っても仕方がない事ですが、これを述べる事によって、
アメリカに住む外国人である日本人として、アメリカの現状をありのまま伝える事ができたら、
と思っています。

トランプが大統領に選ばれた背景は、選挙人制で勝ったから、と言うのは、
恐らく日本でも報道されている事でしょう。国民の投票数は、
クリントンの方が300万人多かった。が、トランプは、より多くの選挙人を獲得できた。
トランプは、これを、違法移民が投票したからだ、と文句を言っている様ですが。。
違法移民には、選挙権はありまへん。どうすれば投票できるのが教えてもらいたい。

アメリカの50州のうち、確実に青(民主党)が勝つ州と、確実に赤(共和党)が勝つ州
と言うのがはっきりしています。とは言え、今回、赤が勝った州でも、
都心部や若い層では、青が勝っていました。その赤、青、確実の州以外に、
Swing States(スイングステート)と呼ばれる、選挙の度に、青に振れたり、赤に振れたりする州が
いくつかあります。これらは、
コロラド、フロリダ、アイオア、ミシガン、ミネソタ、オハイオ、ネバダ、
ニューハンプシャー、ノースカロライナ、ペンシルバニア、バージニア、
ウィスコンシン州です。

このSwing Statesを制すれば、大統領戦に勝てる、とも言われていて、毎回選挙では、
両党の大統領候補は、これらの州を集中的にキャンペーンを展開します。

トランプは、特にこれらSwing Statesの白人層が喜ぶ様な事をキャンペーン中にまくしたて、
これらSwing Statesの殆どを制してしまったーこれが彼が勝った理由。と私は思います。

いわゆるマーケティング的に言うと、”ターゲットユーザーを絞る”と言いますが、
トランプはまさに、投票者層を、”白人の中流階級”に絞って
選挙キャンペーンを展開した、その戦略勝ちと思います。

では、トランプが言う何が、この白人の中流階級の琴線に触れたのでしょうか。

因みに、アメリカでは、全人口の65%が白人で、その90%が下流階級(
中流の下、もいると思いますが)、と言われています。
オバマ大統領は、民主党ですので仕方が無いのですが、
恵まれていない人々や、性的なマイノリティーの方達が同等の権利を得られる様な政策は
多かったのですが、中流階級に対しての強い政策が無かった、と言われています。
したがって、この白人の中流階級の殆どが、下流に落ちてしまった、もしくは落ちる恐怖を抱えている、と言えると思います。そうこうしているうちに、貧富の差がますます大きくなった。

この人達の恐怖・怒りを汲み取り、体現したのが、トランプ。
全て、”誰か”のせいにします。
(この論法は、ユダヤ人と共産党のせいにした、ヒトラーと同じと言われています。)

○仕事が奪われたのは、移民のせい。
○自分達だけ得している既得者(Wallstreet,シリコンバレーの大企業、政治家)のせい。
○女は男の性の対象。
○大企業は工場を海外に移したから、アメリカに仕事がなくなった。
○中絶なんてとんでもない。同性愛もとんでもない。

大きく分けると、こんな感じでしょうか。

私が経験した人種差別は、拙ブログにも書かせて戴きましたが、
私は今、幸いカリフォルニアに住んでおりますので、余り日常的に経験する事はありませんが、
オバマ大統領が大統領に就任した、2008年からこの8年間に、
(白人からの)有色人種に対する差別は、より激しくなった様に思います。

その背景には、先に述べた、白人が、中流階級から下流へと落ちている、
又は落ちる恐怖を抱えている、と言う社会的背景がありますが、
そもそも何故、白人がそんな苦い目に合っているか。

一言: 移民が優秀だから。

カリフォルニアの大学は、高校の優秀な生徒を上から取ると、白人が入らないので、
あえて、有色人種を切って、成績の悪い白人を入れて人種のバランスを取っていると聞きます。
シリコンバレーで企業した会社のトップの殆どが移民。今や医者も4人に一人が移民。

以前からあったその亀裂が、今回はっきりと浮き彫りにされた、と言えるのではないか、と思います。

さて、大統領に就任した途端に、数々の大統領令を発行して、”僕は有言実行の男なんだ”、
と自画自賛しているトランプですが、選挙活動中の公約を実行している、と投票者に
見せたいだけなんだろう、と言うのが見え見えなのです。先のビジョンや、政策は
感じられない。彼の就任スピーチも選挙キャンペーン中に言っていた事を、
少しオブラートに包んだだけで、同じ事を繰り返し言っているだけ。
具体策は見えて来ませんでした。

先程、冒頭で、トランプに嫌悪を超えて、末恐ろしさを感じていると申しましたが、
その理由を以下に述べます。

1.アメリカ第一主義におけるアメリカの意味。
トランプのアメリカ第一主義は、選挙キャンペーンの時から明らかです。
では、彼が言う、アメリカ、とは何でしょうか。
先に申し上げた、白人の中流階級(のうち殆どが下流に落ちたか、落ちる恐怖を抱えている)の、彼にとっては、スポンサーと言おうか、投票者達です。
それゆえ。次々と発行される大統領令は、これらの方々がほくそ笑む様な物ばかりと思います。

そのうち、最も議論を呼んでいるのが、7カ国出身の人のTravel禁止令。

これを認めてしまうと、こう言った人種や出身国等のどんな理由でも、
今後大統領令で差別化が許されてしまう、と言う事になりかねないので、
今、司法裁判所が指し止めをしたり、色々な所で訴訟が起きています。
が、トランプは全面的に戦う姿勢を見せています。その裁判所に対して、
トランプが、抗議をしているのですが、それが、彼の発言で最も末恐ろしく、
その事に関しては後ほど述べます。

2.保護貿易とアメリカファースト、の矛盾。
TPPを永久的に抜ける、と言う大統領令を発行していますが。
それのみならず、NAFTAの見直しや、他国で作られた商品を輸入する時に税金を課す、
と公言しています。(それでメキシコとの国境の壁を作るんだそうですが)
これをすると、どうなるか。アメリカ国内の物価が上がり、
トランプが見方につけている白人の中流・下流も打撃を受けます。
アメリカファースト、と言いながら、公言している政策はそれにそぐわない、
グローバライゼーションを進めたのはアメリカで、今の状況のままでは、
アメリカの商品で自給自足が成り立つ訳もなく、輸入をせざるを得ない状況だと思うのですが、
その輸入品に税金を課して結果的に物価が高騰したら、
さてトランプはどうしてくれるんでしょうかね。企業や他国のせいにするんでしょうかね?

3.彼の論法 「これが一番恐ろしい」
ツイッターや、ちょっとした会話で、個人やある国の悪口を徹底的に言う。
国家元首の権力者が、誰か、もしくはある国を口頭で攻撃したらどうなるでしょう。
たとえば、娘、イバンカのブランドの商品の取り扱いを止めたノードストローム(デパート)
に対して、ぼろくそに悪口をツイッターで言う。
これに対して、トランプをサポートしている人が、不買行動とかするでしょう。
国家元首たる人間が個人や、法人や、国を攻撃する。。。攻撃された人は、為す術がないでしょう。
恐ろしい事です。

7カ国出身の人のTravel禁止に待ったをかけた司法裁判所に対して、
”何か悪い事があったら、裁判所のせい”と平然と公言する。裁判所がまるで悪い事をしているかの様。
トランプには、トランプと違う意見を表明する人を徹底的に否定する傾向がありますが、
裁判所にポリティカルで正しい判断をしていない、と言うのは、司法からパワーをそぎかねない、
三権分立のチェック&バランスが崩れる可能性がある。
それゆえ、これが一番、私が、末恐ろしいと思っているトランプの発言です。

メディアが、トランプが公言した事を、根も葉もない虚言とリポートすると、
メディアは皆、嘘の記事を発表しているから信用できない、と言う。だから、彼は直接プレスコンファレンスを持たないし、ツイッターで一方的につぶやくだけ。しまいには、自分の就任式は過去最高の人出があった、とか、起こってもいない、大量殺人があった、とか、テロがあった、と言い出して、これを、メディアが真実を報道していない、と言い出す始末。

いずれ、何が真実で何が虚言なのか、わからなくなるかも、ですね・・・。

このサイトをご存知ですか?

http://everysecondcounts.eu/index.html

世界各国の深夜コメディー番組で、トランプが就任式で言った、"America first"(アメリカ第一主義)を皮肉って、”誰が2番になりたいか?”と言う題名で、トランプ宛にビデオを作り、
”僕達(例えばドイツ)が、2番で良いでしょう?”と言うメッセージで締めくくられます。

しゃべり方もトランプにそっくりにして、皮肉たっぷりのビデオで、笑わずにはいられません。
オーストラリアやイランも参加しています。是非、見てください。

私は、これで、トランプ就任中乗り切ろうと思っています(笑)

あっ、後はサタデーナイトライブと言うショーで繰り広げられる、トランプのパロディー。。これで4年間乗り切れそうです。笑

イギリス国会では、トランプを国賓として呼ばない(何故ならエリザベス女王に合わせたくない)と言う内容で議論されたりしています。ドイツを始め、カナダや各国首脳は、トランプの
政策が、自分の国のコアバリューと合わない、と公言しています。

そんな中、某国の首相は、のこのことワシントンまででかけて行き、トランプと今週会談を持つとか。その後、彼の別荘で、ゴルフに招待されたとか。。

はあ? かの某国は、世界中で非難されているトランプの事を認識していないのでしょうか?
それとも、そこまでアメリカ命、なのでしょうか?(某大国を牽制する為?)

その辺り、ご存知の方がいらっしゃったら、是非ご享受戴けたらと思います。

だらだらと書きました。最後まで読んでくださり有難うございました。

恐らく、トランプの話をするのは、これで最後になる可能性がありますが、

上に述べた通り、状況が思わしくない状態で、私も自分の意見を述べる必要がある、と感じた時は、今後もトランプの事を書くかもしれません。

そうなる前に、とっとと辞めてほしい、と心から思います。

ここまで、アメリカの坊主憎ければ、袈裟まで憎い、と言いましょうかね。
アメリカに住む事自体に嫌悪感を感じておりますが、私が今でも、これからも住む理由は、
私が知るアメリカ人の数多くが、アメリカに移民して来た移民達の多くが、
トランプとは全く違うから、と言う所だけです。。。
それが無かったら、とっくに私は、日本に帰国しているでしょう。
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YAP

興味深く読ませていただきました。
全体の得票数では敗れていたはずなのに、ルールというか制度のせいで当選してしまったと言われますが、それも含めての選挙なので、残念ですが仕方ないですね。
結局のところ、ヒラリーを指示している(というかトランプを指示していない)と言っているインテリ層の中に、相当な数の隠れトランプがいるのだろうなと推測します。
そう意識はしていないつもりではいても、どこかで差別に近い思いを持っている人は少なくないでしょうし、もしかしたら私もそうかもしれない。

移民が本当に減ると、南部の州では特に、今まで移民の人が多くやっていたような低コストの白人がやりたがらないような仕事が余るでしょうね。
仕事を求めている白人がそこに入っても、「こんな仕事やりたくない」と辞めていったり「賃金が安すぎる」と言ってコストが上がったり、どっちにしても労働市場が崩れていくと思われるので、そうなって初めてトランプ派の人は誤りに気づくでしょう。
そもそも、アメリカという国を作った人自体、先住民を追いやった移民のはずなのにね。
またアメリカには旅行に行きたいのですが、今のアメリカにはちょっと行く気になれないです。
アメリカ国民、特に今のトランプ派の人たちが、早く自分たちの考えの浅はかさに気づいて、8年を待たずに引きずりおろしてほしいものです。

長文、失礼しました。
by YAP (2017-02-10 08:27) 

Zunko

YAP さん 

いつもご訪問、コメント有難うございます。。

この選挙人制度は、アメリカ建国時位までにさかのぼり、起源は、まず知識人のみが選挙する、と言う事から、黒人が未だ選挙権が無い時代で、特に南部が、(黒人を含めた)人口の割りに投票の影響力が低すぎる、と言う理由で、人口に伴って選挙人の数を出した、と言うのが背景にある様です。が、アメリカが国として若いとは言え、400年位前の制度をそのまま周到しているのは、凄いと思わざるを得ません。

今回、ヒラリーだけは嫌だ、と言う人が多かったですし。もともと共和党をサポートしている保守派の方々(金持ち層、クリスチャン等)は、ヒラリーよりはトランプの方(共和党)がまし、と言う理由で選んだ人も多いと思います。

そうですね。未だに色々な所で、デモが繰り広げられています。最近トランプの顔が、妙に疲れて来ている様な感じがして。オバマ大統領も、クリントン大統領も8年の任期を終えたら、物凄く老けてしまいましたが、トランプは4年持つのかしら、と言う感じです(笑)。
by Zunko (2017-02-23 02:34) 

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